第4章 真選組生活 2日目
ジリリリリリリリリン、ジリリリリリ、ピ
…今日から仕事か…まだ少し眠いけど。初日だし少し早めに用意しておいて損は無いよね。備えあれば憂いなしっていうし。よし!頑張ろ!
ペチンッ!っと両頬を叩いて布団から抜け出し、早速準備に取り掛かる少女。時刻は午前5時である。今日の予定は先輩女中に教わりつつ一緒に、朝食の準備と廊下と近藤の部屋の掃除である。近藤の遠縁であることになっており、かつまだ子供であるという配慮から仕事は少なめである。しかし少女の面目の為を思い付け加えておくが、初めは近藤と自身の部屋の掃除のみであったのだが、少女が強く申し出た為2つの仕事が追加された。
よし!準備万端!時間までまだ30分近くあるけど遅れるよりマシだよね。それに今はまだ誰もいないだろうからどこに何があるかとかチェックできるし!そうと決まれば、早速行こう!
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やっぱり大所帯を支える食堂だけあって、何から何まで大きいし、包丁とかの数も多いな。なんか、緊張してきたな。私迷惑かけずにできるのかな。やらしてもらえるようにはなったけど、それで余計な迷惑をかけてちゃ本末転倒だし…どうしよう、本格的に心配になってきちゃった…
「と、とりあえず、落ち着かないと!」
「その発言自体が落ち着いて無いんじゃないかい?」
「は、はい!すいません!ってええ!?」
「ああ、驚かせてすまないねえ。ここで女中長をやってるユミ子だ。あなたがね。よろしく。」
「は、はい!よろしくお願いします。」
「今日あなたと一緒にやるのも私だからね。人数が多くないから来てくれて助かったよ。でも、あんたかなりの良家生まれだろ?家事なんてできんのかい?」