第3章 真選組生活 1日目
歯も磨いたし、髪の毛の結い直したし、部屋もとりあえず綺麗にしたし。もうやることは残って無いよねー。そろそろ土方さんの部屋に行こうかな。
本当に食べ終わってからすぐに自身の部屋に戻ってしまった少女。彼らがどのくらい言い争いを行おうと少女にとってはどこ吹く風である。
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「土方さん、です。」
確か土方さんの部屋ってここだったよね。間違えていたらどうしよう。横が近藤さんの部屋だからおそらく間違えててはいないだろうけど。もしかしたらが無いとは言えないし。
「おう、入れ。」
「失礼します。」
「あ、ちゃん思ってたより早く支度が済んだんだね。」
「はい。特にすることもありませんし。それにあまり待たせるのも失礼だと思ったので。」
「ほう、いい心がけなこった。」
「あ、それでね。買ってきて欲しいものなんだけど。ちゃんこれからここに少なくとも帰る方法が見つかるまではすむわけだろ。だから、生活に必要なものを買ってきて欲しいんだ。ちゃんは女の子だし。俺たちにはわからないものがあるだろうし。」
あぁ、なるほど。近藤さんそのようなところまで気を回してくださってたんだ。
「ありがとうございます。」
少女は近藤の気遣いに心から感謝した。寝巻き、普段着が一式ずつあるとはいえど、それだけではたしかに足りてはいない。二、三日で済むのならなんとかなるだろうが、どのくらいここに世話になるのかわからない以上、それなりに揃えなくてはならないものが出てくる。
既にある程度は山崎か用意してあるのだが、彼も男でもある以上女である少女の必要なものを全て用意するのはとても難しい。ここで働いている女中に頼む手もあるのだがただでさえ仕事が多い上に頼むのは気が引けたのである。