第3章 真選組生活 1日目
ジリリリリリリリリン、ジリリリリリ、ピ
午前5時。自身のスマホの目覚ましの音で目を覚ました少女。いつもと異なる景色に少しの不安を覚えるが、
そうだ。私、平行世界に来ちゃったんだった。取り敢えず起きなきゃ。
いつもの間取りとはかなりかけ離れているが、少女はいつも通り朝の習慣、すなわち洗顔、歯磨き、ストレッチ、そして着替えを行った。ただ今の時間は午前六時である。
確か、近藤さんの部屋に行くのは6:50。ここからの移動時間は5分〜10分。ならば、ここを6:40に出れば間に合う。ということはつまり、
「あと40分も時間がある。」
いつつもなら今からご飯を食べて、勉強して、学校だったけど。…勉強したらいいんだろうけど、いまいちやる気が出ないな。仕方ない。
暇を持て余した少女は自身の部屋の前にある庭にでて時間を潰すことにした。
朝日がまぶしいなぁ。
いつもと違う気がする、が少女が元いた世界となんら変わりのない現象。しかし彼女はいつも忙しく時を過ごしていたため、太陽がまぶしいなどと感じることはなかったのである。
思えば、こんな風に何もしてない時間っていつぶりなんだろ。
空を見上げれば、果てのない水色。ところどころに存在する白色。動きを持つ小さな黒色。どれも少女の知っている世界と少しも違いは無いのだが、それでも少女にとっては全く知らない世界のように感じられた。
…風の声ってこんな感じだったんだ。それになんだか匂いもする気がする。。なんだか詩人になったみたいで恥ずかしいかも。
どのくらい時間が経ったのかな…5分の気もするし。1時間くらい経っている気もするし。なんだか本当に変な感じ。