第9章 真選組女中生活 X日目 沖田総悟
「でも…人に移した方が早く良くなるって言いますし。」
「に移すくれーなら長引いた方がマシでぃ。いいからさっさと自室にもどりなせぃ。」
先程から続いているやりとり。少女は自分の風邪が原因であるので一晩看病すると言いはる。そして少女に移し返せば万事解決するのだとか。しかし、そんなこと沖田のプライドが許すはずも無く、話は平行線である。
大体、俺が寝れなかっただけだっつのに。いい加減しつけーぞ。コイツ何をそんなにムキになってんだ。それに…コイツともう一晩こすとか、襲わねー自信のがねえっつーの。
少女への思いを自覚している今、熱のせいで少し理性が効かず、先程から衝動的な行動が見られる。それでもなんとか飛び散っている理性をなんとかかき集め保っている。少女は気にしていないそぶりを見せるのだが、それも返って沖田のプライドを少しばかり傷をつける。
頼むから俺のこといろんな意味で男って意識しろぃ。俺が参っちまう。
「あー、そういや俺土方さんに用があるんでさぁ。呼んできなせー。」
「はい、わかりました。」
失礼しました。と声をかけ少女は沖田の部屋を後にした。その数秒後沖田は大きな大きな溜め息をついた。
勘弁してくれよ…本気で襲うぞ…
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「おーい、総悟なんのようだ。」
「あれ、土方さんどうしたんですかぃ?」
自分で呼んでおいて忘れていた沖田。しかし、真っ赤に染め上がった顔を落ち着かせるのに必死であったので、仕方がないのかもしれない。
「んなことだと思ったよ。てめーが呼ぶなんて天と地がひっくり返るっつーの。んで、となんかあったのか?」
「な、なんでそうなるんでぃ!」