【Pkmn】Love me! Love me!【悪の組織】
第1章 Beginning of the story
そんな毎日を送っている時の出来事だった。
「こちらはカントーコールセンターです。いかがされ…あ、はい。少々お待ちください。」
肩をトントンとされた気がした。
「少々お待ち頂けますでしょうか。」
対応をしていた時にそんな感覚がした柊は保留を押し振り向く。
「指名だよ。」
「え、指名?」
「そう。湊さんがいいって。」
「は、はぁ…。」
訳が分からなかった。
ーコールセンターでバイトを初めて間もないのに既にリピーターが出来たって事?
恐る恐る電話に出た。
「はい、お電話変わりました、湊です。いかがされましたでしょうか?」
「…スマホの使い方が分からないのだが、どうしたらいいか。」
「はい。お客様のお名前、スマホの機種、詳しい状況、をお知らせ願えま…」
「湊さんに来てもらいたい。」
「…え?」
本当に訳が分からない人だった。
聞いたことのある声だが思い出せない。
どうして相手は柊の名前を知っているのか。
明らかに困惑している表情で柊は答える。
「…えっと、申し訳ないのですが、その、なんと言いますか…こちらからは訪問は致しかねます…。」
「安心してくれ、私が迎えに行く。」
「いや、そういう問題ではなくてですね…。」
「お前の上司にも話は付けてある。」
なんでいつの間に話が進んでいるのだろう。
そして、電話の相手は一体何者なのか。
お金持ち?ヤクザ?財閥?
この人がどんな人なのか。その正体が分かるのはもう少し先なのであった。