【Pkmn】Love me! Love me!【悪の組織】
第1章 Beginning of the story
「はぁ…疲れた。」
人の話も聞かず、暴れ泣いて、放り出されたのはどこの誰だったか。やはりカントー地方に住むのは彼女には不可能な気がする。
しょんぼりと寂しそうに歩いているとドンと誰かとぶつかった。
「痛いっ!」
思わずよろけて尻もちをついてしまった。
何するのよ、と言わんばかりの表情をしながら上を見上げる。
あまりの迫力にサッと下を向いてごめんなさいと呟いた。
「いや、私は大丈夫だ。それよりもお嬢ちゃん、怪我はないか?」
黒い洋服を待とうハット帽を被った厳つい男性は手を差し伸べる。
「私なんか大丈夫ですよ!ほら、ね!元気です!」
とは言いつつもその手を掴み立ち上がると何度もお辞儀をした。
男性は一瞬顔を引き攣る。
「君は…」
彼は思考を巡らす。
ー(そうか、あの時の…。)
「え?」
ふと彼女の顔を見ると明らかに不思議そうなキョトン顔。
「…いや。何でもない。気を付けて。」
「あ、はい!ありがとうございます!」
そそくさと逃げて行くようにその場を去った柊。
「…あの時の女…か。」
柊が去る姿を見ながら不敵な笑みを浮かべたのだった。