第1章 Beginning of the story

「…ないですね。そんな条件なのは。」

「…え？」

部屋の事ではない。仕事の事である。
住む部屋はスムーズに決まった。

柊は声を荒らげた。

「えええぇ？！何でですか？！アローラではその条件で結構あったのに！！」

「いや、落ち着いてください？！そのような悪条件、ありませんし、これよりも、沢山いい条件ございます！」

「え？！そうなんですか？！」

「当たり前じゃないですか？！時給550円で週休1日とかありえないですから！アローラでありえても、カントーではありえません！」

アローラは仕事の種類が少なく時給が低い。流石カントー地方。アローラ地方とは全然違う。

「え、じゃあ、どんな仕事があるんてすか？」

「色々ありますよ。事務系でしたらこちらが…。」

「これにします！」

何も見ないで机を叩きながら立ち上がる柊。

「え、あまり見てないですよね？」

「OLですよね？！」

「い、いや…OLではないですけど…。」

「…え？！」

その後の彼女をあやすのは相当大変だったらしい。