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扉の向こう

第2章 お家。


 

『待って、大和さんがベッド使って。ここは大和さんのお部屋なんでしょ?私、リビングのソファーで寝るから。』


きっと、お仕事だってあると思う。なら、ちゃんとしたところで寝ないと、お仕事に支障が出ちゃうかもしれない。さすがにそれは申し訳ない。でも、大和さんは許してくれなかった。


「いやいや、女の子にそんなコトさせられないでしょ。お前さんは気にしないでいいから、ベッド使いなさい。」

『でも...。』

「それとも...、」


そこまで言うと、少し前屈みになり、私の顔のすぐ横に大和さんの顔が近づいた。












「お兄さんと一緒に、ベッドで寝ちゃう?」

『ッ!!!!////』











「...冗談だよ♪」


私が顔を真っ赤に爆発させると、大和さんは顔を離してフッと笑った。そして、そのままブランケットを持って「んじゃ、おやすみー。」と手をヒラヒラ振って部屋を出ていってしまった。




...ドキドキ止まらないじゃないかー。



...部屋に残されちゃったら、私がベッド使うしかないじゃない。大和さんの優しさに感謝しつつ、ベッドに入った。


やっぱり疲れてるのかな...?
暖かい布団にくるまると、すごく眠くなってきた。

いろいろあったもんなぁ...。半日くらいの記憶しかないけど、...いろいろ、ありすぎた。


でも...


すごく大変だけど...


今は、不安はそこまで大きくない。

もちろん、
全くないわけじゃない...



何も覚えてないから
不安要素も、あんまりないのかな?



でも...



きっと...



大和さんが...

いてくれた...からかなぁ...?





なんか...



あの人と一緒だと...





落ち着く...




気が...









そのまま、私は眠ってしまった。


 
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