第4章 「ガブリンチョ!カミツキがったい」
キーンコーンカーンコーン…
「今日の授業はここまで」
「起立~、礼」
「「「ありがとうございました」」」
「気をつけて帰れよ~!」
『(今日は早く帰ろう…トリンに相談したいこともあるし…)』
「さ~ん」
ビクッ!!
『な…何…?』
「今日も掃除当番代わってくれな~い?」
『また…?』
「お願いだよ~!私たち今日も予定があって…。さんしか頼める人いないんだよ~」
「お願い~!」
『…私…今日用事が…』
「え…?」
『…っ』
さっきの態度から一変
『(怖い…)』
「代わってくれるよね…?」
『…わ…かった…』
「ありがとぉ~!!さすがさん!お願いね~!!」
いつもの3人組は帰っていった
『はぁ…』
そしてほうきを取り出し、教室を掃き始める
教室には綺麗なオレンジの夕日が差し込んだ
『ダメだな…私…』
期待しちゃダメなのに誰かが助けてくれるとどこかで期待している自分がいる
『もう…嫌…』
教室の床にポタポタと落ちていく雫
「どうしたの?」
『!』
目の前に人がいた
『あ…いえ、何でも…』
この人知ってる…
みんながかっこいいって言ってる人だ
確か…立風館ソウジくん…だっけ
ソウジ「はい」
ソウジはハンカチをに差し出した
『あ、いえ、本当に大丈夫ですから…』
はソウジに背中を向けて制服の袖で涙を拭った
ガシッ
『え…っ』
しかしその手をソウジが止めた
ソウジ「袖で拭いたら目が赤くなる。だから…」
ソウジはの涙をハンカチで拭いた
『あ…ありがとうございます…』
近くで見ると綺麗な顔立ちで…
女子たちが騒ぐのもわかる
ソウジ「何で泣いてたの?」
『…いえ、何でもないです』
は笑顔を見せた
ソウジ「そう…」
ソウジは明らかに納得していない顔だった
ソウジ「じゃぁ…気をつけて帰れよ」
『は、はい』
ソウジは教室を出て行った
『(うわ…ソウジくんと話しちゃった…。なーんて、浮かれてるとまたあの人たちにいじめられるな、きっと)』
はそう思いながらほうきをしまった
ソウジ「あれが……」