第3章 奉仕
「綺麗」だと言われて悪い気はしない。
正直私は半田くんに嫌われていると思っていたから…
「じゃあ…何が嫌?彼女でもない相手とはH出来ない?」
「……、」
膝の上で拳を握る彼の手は少し震えている。
そんなに私とセックスするのが嫌なのかと思うと少し傷付いた。
「解った…私も無理強いはしたくないし」
そう言って立ち上がると、焦った様子の彼が私の腕を掴んでくる。
私の言う事を聞かなければ、秘密をバラされてしまうとでも思ったのだろうか。
「あ、あのっ……笑わないで…聞いてもらえますか?」
「…?」
顔を真っ赤にさせ、バツの悪そうな表情をしている彼。
私はもう一度その隣に座り直した。
「…俺……実は今まで誰とも付き合った事がないんです…」
「…え……?」
「パンダの祟りの事…誰にも打ち明けられなくて……もし彼女が出来てもその事を知られたらと思うと怖くて、ずっと人を好きになれませんでした…」
「……、」
私の想像以上に、彼の背負っている十字架は重いものなのかもしれない。
でも、という事は…
「…半田くんは童貞なんだ?」
「っ…」
「キスした事は?」
「…ありません」
「………」
意外だった。
昼間彩香が言っていた通り、彼は見た目も悪くないし性格だって穏やかだ(ドジではあるけど)。
そういう男の子を好む女子だっているだろうに、一夜の過ちですら経験が無いのか。
むくむくと頭を擡げる私の中の悪戯心。
すっかり俯いてしまった半田くんの膝の上に乗っかってみる。
「っ……せ、先輩!?」
「…私で良ければ教えてあげようか?」
「…!」
「…色々と」
耳元でそう囁けば、ぴくりと彼の肩が跳ねる。
というか、そもそも弱味を握られている半田くんに断る権利なんて無いんだけどね。
「でも…キスは本命の子が出来た時の為に取っておいてあげる」
そう言って彼の頬に触れるだけのキスをした。
そしてその手を取り、自分の胸へと導く。
「っ…」
「胸を触るのも初めて?」
「……、はい…」
「じゃあ…両手で揉んでみて?」
ごくりと上下する彼の喉。
その表情を見れば、さっきより興奮しているのが分かる。
彼は私の様子を窺いながら、ブラウスの上から強弱をつけるように胸を揉んできた。
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