第7章 卒業
(ハァ……まただ)
ここのところ毎晩織田先輩の夢を見る。
しかもただの夢ではない……彼女とセックスをするという生々しい夢。
当然朝起きた時、俺のモノはしっかり反応していて…
「っ…、先輩…っ…」
こうして毎朝、彼女の事を想いながらベッドの上で自慰をする。
――最後までするのはまた今度…
そう言われてから数日後…
先輩と過ごせる機会があったので、俺は勝手に期待し今度こそ彼女と最後まで出来ると思っていたのだが(ゴムもちゃんと自分で用意しておいた)、その日は結局いつもと同じ戯れで終わった。
彼女は一体どういうつもりなのだろう…
「また今度」とは言っていたが、本当はこれ以上俺と一線を越える気など無いのだろうか?
それとも、いつものように俺を焦らしてその反応を楽しんでいるだけ…?
どちらにしてももう限界だった。
この間少しだけ味わった彼女の中…
あの感覚が忘れられず、いくら自慰をしたって満たされない。
セックスのイロハを学ぶ為にAVを観たりもしたが、俺のモノは全く反応しなかった。
俺はもう、先輩でなければイけない体になってしまったのだ。
早く先輩に触れたい…
俺の体をこんな風にしたのは彼女なのだから責任を取ってほしい…
「ぁっ…、イく…ッ…」
こうして今日も朝から、俺は空しい欲を吐き出し自分の手を汚すのだった…
*
(半田くん…今日もエッチな顔してる……)
会議で使う資料に目を通しながら、時折彼のデスクを盗み見る。
半田くんにお預けをさせてからもうすぐ2週間…
彼はあの日以来、仕事中も物欲しそうな顔をするようになった。
目が合えば頬を染め、潤んだ瞳でこちらを見つめてくる…私とセックスをしたがっているのは明白だ。
あの日、「ゴムが無いから最後まで出来ない」と彼に言ったが……あれは嘘だった。
本当はちゃんとキャビネットの引き出しに仕舞ってあったのだ。
それでも彼に嘘をついたのは、直前になって私の中の良心が疼いてしまったから…
本当に彼の"初めて"をこんな形で奪ってしまっていいのか…
今更そんな思いが頭を過った。
純粋無垢だった青年の心と体を弄び、自分のストレスの捌け口にしてしまった私の罪は重い。
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