第10章 #10
名前の家にやってくる。それなりな二階建ての家。
庭はそんなに広くない。
八神は玄関のチャイムを鳴らす。
玄関の金が鳴ると名前の母が出てきた。
「お母さんただいま。」
名前が名前の母にただいまと言う。
名前の母は名前に挨拶を返して、八神に言う。
「名前おかえり。あら八神さんとこの智くんじゃない。
智くんが自分からうちに来るなんて、どういう風の吹き回し?」
八神の母と名前の母は会社の同僚同士だ。
八神が何故家にいるのか疑問に思っている。
名前がいない時に、八神の母と八神で名前の母に会ったりしていた。
八神の事は顔も知っており聞かされていたが
名前は怖がって不良である八神に近付かなかった。
「おじゃましております智久です。」
「智くんなら歓迎だよ。ささ上がって。」
名前の母に名前と共にリビングに誘導される。
「智くんやっぱりかっこいいね。
名前と一緒にいるの見たの久々かも。」
名前はいつも一緒にいるが、名前の母にとっては久々に見る光景だ。
八神と名前はソファに座る。
「かっこいいなんて照れますね。
今日は名前さんのことで話があって来ました。」