第5章 #05
「八神さん。歌、お上手ですね。」
名前の口から出た社交辞令じゃない本気の言葉。
名前は八神に頭を撫でられ、
「社交辞令じゃないです…。」
「ありがとう。」
八神は微笑み名前に礼を言った。
「名前って好きな歌手とかバンドいるの?」
「私、誰が人気とかそういうの知らなくて…。」
「じゃあ今度、人気あるのと俺のオススメ教えてやるよ。
で、曲は選んだのか。」
八神に聞かれて名前は震え上がる。
「ひっ…?」
「まさか歌いたくないとか…。」
八神は項垂れる。
「そ…そんなことではないんですけど…。」
名前は太股をもじもじさせる。ここでやる事といったらアレしかない。
ラブホテルや屋上なら自由だ。
カラオケだと誰かに見られているかもと考える。
名前はごくりと喉音を鳴らす。
「歌よりこっちのほうがいいです。」
名前は八神に抱き付いて甘える。
八神は名前が甘えてくる事に興奮しムラムラし出す。
「はぁ?歌よりイチャつくほうがいいってか?
歌わないんだったら、せめて喘ぎ声くらいは聞かせろよ。」