第5章 #05
八神と名前は鍵付き完全個室のカラオケルームに入る。
室内が凄く狭い。全体がピンク色だ。
二人用ソファとベットにテーブル、テレビ、二人分のマイクが置いてある。
シャワールームまで付いていてラブホテルと見違えるほどだ。
二人用ソファに座ったらすぐに密着できる。
名前が先に座る。八神が隣に座ると密着した。
名前は頬を赤らめて思わず本音を言ってしまう。
「近っ!」
「…。」
八神は名前の反応を見て微笑み頬を赤らめる。
名前の本音を無視して、曲の番号が書いてある本を手に取り、曲を選びリモコンでセットする。
「名前も曲選びなよ。」
八神は名前本を渡す。
「はい。」
名前は八神に返事をする。
名前は八神のように積極的に歌いたいと思わない。
歌おうとする八神の前で、歌う曲を悩んでいるフリをする。
カラオケは、どちらかというと聞くほうで済ませるが全く行かない。
「え~っと…。」
名前は本を開いてページを捲る。
ページを捲っているうちに八神が名前の隣に座ったまま歌い始める。
八神は名前に語りかけるように、恋愛系のバラードをしっとりと歌い上げる。
名前は照れくさくなって、頬を赤らめて八神の顔を見る。
高得点を叩き出して褒めてと言わんばかりに名前に擦り寄って甘えてくる。
名前は八神の頭を撫でる。