第3章 #03
名前の背中に両腕を回し、
名前は頬を赤らめて振りほどこうとする。
名前の胸に顔を埋めて甘える仕草を見せる八神。
八神の吐息が降りかかる。
「八神さん…?恥かしいです。人が来てしまいますよ。」
「俺はこうするほどお前を愛してるんだよ。わかるか?」
「わ…わかりましたから…此処では…。」
八神は名前に言われ正気に返る。
「名前、ごめん…。」
「いいんです。八神さん。
私の事…こんなに愛してくれてたんですね…。」
名前は感極まって泣いてしまう。
八神は名前の頬を撫で涙を拭った。
「名前。逃げたくなったら俺に甘えていい。」
「はい…。」
名前は八神に抱きつき甘える。
最初は喧嘩する不良だから、怖くて避けていたのに。
八神の心の闇と優しさに触れ八神に惹かれていく。
名前の心の中で八神の存在が大きくなっていった。