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鳥籠【R18】

第3章 #03


「今度は名前の手で食べさせてくれよ。」
「はい。こうでしょうか?」
 唐揚げを百均で買ったお星様のピックで刺して、八神の口に近付ける。
「八神さん。あ~ん…。」
 八神は口を開けて唐揚げを食べる。
八神が何を考えているのかわからなかった。
自分なんかと付き合うなんて何考えているんだろうと。
「美味しい。は~誰かと食べるって幸せだな。」
 八神は笑いながら言う。名前は口を開いて喋る。
「そうですね…。ごめんなさい。変な事聞きます。
八神さんって何で私と付き合いたいと思ったんですか?
KYだし地味だし魅力なんてありません。
釣り合う要素なんてないです。」
 八神と自分を比べてしまって名前はへこんでいる。
お近付きになりたい同性もいるはずだ。
自分なんかお呼びじゃない。
きっと遊びなんだと思い込みへこんでいた。
「ああもう…この際だから言わせてもらうけどな。
外見がどうこうじゃなくて、名前が優しくて素直だから付き合いたいって言ったんだぞ。
名前なら俺の事わかってくれるんじゃないかって。」
「…っ、本当ですかそれ。」
 八神はこくんと頷く。
八神は微笑んだ後、悲しそうな表情をして名前の頬を掌で触れる。
「そんなに俺が嘘言ってるように見える?」
「いえ…。とてもうれしいです。」
 八神は舌打ちした後微笑む。
「それはよかった。」
「えっ…?」
 八神は周りを確認し名前の頭を撫でる。それだけではない。
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