第2章 #02
名前に煙が行かないように気を使って吸っている。
名前は珈琲に砂糖とミルクを入れて溶かす。八神を気遣って注意する。
「た…煙草はだめですよ。」
「あぁ…?」
口から煙を吐きながら名前を睨む。
「うぅ…ご…ごめんなさい…。」
「ふん。」
名前は泣いてしまう。珈琲を飲んで落ち着いた。一時間以上黙って名前と八神はテレビを見ていた。
ワイドショーを見ている。名前は何もしゃべらない。
名前は時計の針を見て気付く。
「もうそろそろ時間が…。夕飯作らなきゃ。」
名前の家は共働きだが、五時までに帰るように言われている。
名前が背中を見せて去ろうとした時。
「待て。行くな名前。」
「ぅ…。」
「寂しい…。」
八神が後ろから、名前の背中に抱き付いて引き止める。
名前の肩に顎を載せる。
名前は何とも言えない複雑な感情に見舞われた。
怖いのか好きなのか。感情が交差してくるくる回る。名前は八神に聞く。
「どうして…。」
「夜が…怖いんだよ…。」
名前の耳元で囁く。
「八神さん…。」
夜に怯える八神が愛おしく思えて来て、八神の手を握った。
八神に引き止められる。
「今週はおふくろは夜勤だぞ。男の家に泊まれるチャンス滅多にないじゃないか。」
八神は名前の首筋を舌で舐める。
「私にだって家が…んぁ…。
男の人の家にお泊まりなんてそんなはしたないことできないです。」
八神は呆れてため息をつく。
「俺の縄張りで露出オナニーしてた奴が何言ってんだが。」
「…んっ。」
八神は名前の首筋を水音を立てて吸い上げる。