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在りし日の歌【文スト】【短編集】

第2章 夜警




「流石愛理ちゃんだ。仕事が早いねぇ。」

『此処に国木田さんが居たら“お前も見習え!”と云うでしょうね。』

「あはは…」


昔のことを思い出している間に見張りを片付け終わったようだ。
太宰さんから褒められ安堵する。


『此の後は気配を消した私が先に扉を開け相手が混乱している内に攻撃開始。それを合図に中也さんが突入でいいですかね?』

「うん、読めるようになったね。」

『最初から今も掌の上の様な気はしますが。』

「さぁ?何のことだろう。双黒(小)なんて未だに掌でこじんまりとしているよ。」

「小って云うな!!あとこじんまりもしてねェからな!」

『では、参ります!』


ずっと聞いていたいぐらい面白い小競り合いだが生憎相手は待ってはくれない。
《異能力;エジステンツァ》を使い扉を開けると誰かが来た筈だが姿が見えない、と混乱が生じる。
その隙を突き、銃を持っていた輩を仕留めた。
それを合図に中也さんが参戦し辺りは戦場と化す。


最後に立っていたのは私と中也さんだけだが。
取引中の筈なのに売られる人が居ないとは如何いうことなのだろう…。
まさか間違って始末してしまったとか?


「闇組織の中では、此の組織と取引をした組織は必ず消滅する事で有名らしいよ?」

「此奴ら自身が始末してたッて訳か。」

「そういう事。売られる人間のフリをした人物が取引が終わった後で殺していたんだろう。下準備に手間暇がかからない上に金も貰える、こんな良い手は無いよね。」

『闇組織を潰す闇組織…。なんだか複雑ですね。』

「手前ェの仕事はこの組織を潰す事だ。余計なことを考えてンじゃねェ。」

『それ、慰めてくれてます?』

「あァ!?五月蝿ェ!俺はもう帰るぜ!」


そう云って車のキーを指で回しながら歩いて行った中也さんを「送ってはくれないのかーい?」と太宰さんが追い掛けるので私も追い掛ける。
と、走っている途中でキュロットの裾が縦に5センチ程切られていてかなり際どくなっている事に気付く。


「うん、良い眺めだね。」

『っ!?太宰さん!?』

「愛理ちゃんは隙が無いからなかなか佳いところを眺められなくてねぇ。」

「手前ェは変態か!!……愛理、乗れ。」

『へ!?』

「その格好で帰らす訳には行かねェだろ。早く乗れ。帰ンぞ。」


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