• テキストサイズ

大好きな君へ

第5章 嫌になるぐらいに君が好き


心と体は繋がっている…

そう聞いたことがあるけれど

それって本当だったんだ…


目覚めたくない

あの日心でそう強く願った私は

本当に2日間眠ったまま

目覚めなかったらしく


長い眠りから覚めたときには

私を見つめて今にも泣き出しそうな顔を

している大倉さんが

目の前にいた…


「もう大丈夫なん…?

何度名前呼んでも

目開けてくれなくて…

このまま…ずっとこのまま

目覚さへんかったらどうしようって

ほんまに怖かった…」


そう言って

私から顔を背けた大倉さんの肩は

小さく揺れていて


本当に心配してくれていたんだ…


そう思うと

胸が痛くなって


「ごめんね…

私そんな長く寝てたんだね…?

もう大丈夫。

ぐっすり眠ったから逆に体は

すごく元気だよ?」


なんて笑ってみせると

大倉さんは少し赤くなった目で

私を見つめて嬉しそうに笑うと

遠慮気味に

私のほっぺに指で触れて


「俺…今から仕事行かなあかんけど…

終わったらすぐに帰ってくるから

どこにも行かんとここで待ってて…?」


そう言って不安そうに

私の頬を撫でる手に私は

自分の手を重ねて


「分かったよ。

ここで待ってるね?」

そう言って

大倉さんを送り出した…





どこまでも私は

自分勝手で嘘つきだ…





本当は

眠りにつく前も

眠りから目覚めてからも



亮ちゃんのことしか

考えられないんだ…


ふらつく足をひきずりながら

ゆっくりと玄関に

歩き出した私は


「ごめんね…大倉さん」



そう小さく呟いて

玄関の扉を開いた…
/ 71ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp