第3章 片思いの終わらせ方
DVDを借りて
亮ちゃんの家に帰ってからも…
亮ちゃんが帰ってきて
一緒にDVDをみてる今も…
耳元で囁くはなさんの声が
頭から離れてくれない…
はなさんと亮ちゃんがとか
そんなのは絶対あり得ないし…
あっちゃいかん…!!!
私の隣で
手練れハンターのはなさんに
狙われてることなんか知らず
のんきにホラーを見ながら
びくびくしてるバンビの亮ちゃんを
私は守れるんだろうか…?
そんなことを考え
亮ちゃんをじっとにらんでいる間に
せっかく借りてきたDVDは
エンドロールを流し始めて
私のただならぬ視線に気付いた亮ちゃんは
「お前は…
映画を見ずに何で俺をにらんでんの…(笑)?」
なんて可笑しそうに笑いながら
くしゃくしゃと私の頭をかき回す…
そんな亮ちゃんの手を掴んで
「もしね…?
あくまでもしもだけど…
はなさん…みたいにきれいな人に
いいよられたら…
亮ちゃんもやっぱり嬉しいの…?」
そう掴んだ手を
ぎゅっと握りしめ
鼻息荒く聞いてみると
案の定…
「そりゃ…
きれいな人に"好き"とか"かっこいい"
とか言われたら
男なら誰でも喜ぶやろ…?」
なんて答えが
目尻を下げた
だらしない顔から返ってくる…
人の心配も知らずに
あまりに憎たらしい顔をする亮ちゃんに
「男なんて…バカばっかりだ…!!」
そう言ってほっぺたを膨らますと
「でも…
やからって相手を好きになったりは
せぇへんぞ…?
嬉しいと好きは全然別物やし…
俺はどっちか言うたら
あんまりきれい過ぎる人は
苦手やねん(笑)
ちょっと崩れてるぐらいの方が
見ててあきへんしな…(笑)?」
そう言って亮ちゃんは
膨らんだままの私のほっぺたを
両手で潰して
"ほんまお前はあほやなぁ…(笑)"
そう小さな声で呟いた…