第2章 第2章-修行のはじまり!-
2階だてレンガ造りの家に入る。テーブルの上に食器が並び、ふんわりといい匂いがする。
「おーいポルト!マリカの到着だぞ!」
「うぃーっす」
棚の向こう側がキッチンらしく、蛇口が見える。そのあたりからエプロンをつけたポルトがでてくる。先に修行に出た、私の幼馴染のお兄さん。うーん、ちょっと似合わない。
「よぉマリカ、久しぶりだな。よーこそ人間界へ」
「本当にポルトが人間だ…」
「まぁ最初はそうなるよな~、俺もマルク見たとき思ったし」
「私も!」
「おしゃべりはそこまでだ二人共。マリカ姫は今から風呂!ポルトは料理の続き!」
「おお怖ぇ(笑)」
私を抱えたままマルクは家の中を移動する。”風呂”にい
くらしい。海の生活にはなかったから、人間の週間なのかもしれない。
「ねぇ、”風呂”ってなに?」
「海は水だから身体を洗う必要がないけど、今の姫様はどうだい?髪がベトベトしないか?」
「!そういえばそうだね」
「こういう汚れを洗い流す場所を風呂っていうんだ。風呂は…まあ見たらわかるけど、身体の半分位だけをお湯…暖かい水につかることができるのさ。そこで海水をまず洗い流してもらうよ」
風呂に到着し、マルクは私を降ろす。もちろん相変わらず足は痛い。マルクは目を閉じて私に背を向けて話す。
「まず、服を全部脱いでくれ。それから横のカーテンを開けると、水を張った大きな入れ物があるから、その中に入るんだ。近くに小さな入れ物があるから、それも使って全身のベタつきを取るようにしてみて」
指示の通りに衣服を脱ぎ風呂に入る。海の中にも暖かい水が湧き出すところはあるけど、それともまたちょっと違う気がするのは、海水ではないせい?
しばらく水に使っていると、紙に書かれたメモを、カーテンの隙間から渡された。
「風呂から出て、大きな布で水滴をとってから、用意してある服を着ること!」
ロングスカートとブラウス、靴下とかいう足につける袋、かかとのない靴、それから謎の形状の小さな布があるけどこれは下着ってやつだと思う…が用意してあった。
やっぱり衣服に足を通すときが痛くて辛いな…。