第2章 第2章-修行のはじまり!-
「ここから家までちょっと歩かないといけないんだ。でもその激痛の中、歩かせるわけにはいかないし…悪いけど姫様、ちょっとがまんしてくれ」
そういうとマルクは私を抱える。このまま家まで連れて行こうとしているらしい。なるほど、だから早朝なわけね…
浜を抜けると石畳の道があり、家々が並ぶ。その道は緩やかな登り坂になっていて、たぶんその坂の上にあるのだろう、旗をつけた城が見える。
「綺麗だろ?あれがこの国の王と王妃、それから王子が暮らしてる城だよ。この国はトランファルって名前だ」
「私の家とは、全然違う形をしているのね」
「そうだ。知らない、違うことがたくさんあって面白そうだろ?ひとまず最初一ヶ月は、この国や人間界の生活・風習について、俺とポルトが教えていくよ」
「あ、やっぱりポルトがいるのね?話に出てこないから、この国じゃないところにいるんじゃないかと」
「ははっ、それは悪かった。ポルトは今、家で風呂を沸かして朝食を用意してもらってるよ」
「あのポルトが、料理をするの?!」
「やっぱりそう思うよなぁ(笑)…でもポルト、この半年でかなり成長したんだよ?」
そういってマルクはクツクツと笑う。ポルトは大臣の息子で、私の少し年上。幼馴染という相称が一番あうかな。
負けず嫌いで、お兄さんなところもあって、手先が不器用で、武術が得意で、私より少し早く修行に行った。
…一緒に住むのかな?きいてないわよ。