第18章 乙狩 アドニス / 七夕
暫くして、聖子の家の近くまで来た。
自分でも驚くくらい、名残惜しい。
無意識に、キュッと繋いでいた手に力が籠る。
「アドニスくん、今日はありがとう。あの…。き、気持ちは伝わった、って…事で、いい、のかな…///」
真っ赤な顔で、そんな事をいう彼女が可愛くて。
俺は彼女を抱き締めた。
「先程は言えなかったが、今、俺の気持ちを聞いて欲しい。…愛してる」
そう言って、彼女の柔らかい唇に口付けた。
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翌日。
SNSで俺と聖子が七夕イベントで並んで歩いているところが投稿されていたが。
聖子はファンの間では有名であった為。
『その人、プロデューサーだから』
『よくある光景』
『いつも通り』
などと書かれており、特に変な炎上をする事もなく終わった。
…しかし。
「アドニスくんや、昨日は楽しかったみたいじゃの♡」
「ちょっとちょっと!! 詳しく教えてよね!!」
朔間先輩と羽風先輩の執拗な取り調べが何時間か続いたのだった。
fin.