第2章 瀬名 泉 / 自慢の息子
「相変わらず消えるの早過ぎるでしょ…」
「そうですね」
一体今までのは何だったのか。
そう思ったら何だか笑えてきて、顔を見合わせて軽く笑った。
「…俺も、聖子のダンナになれる奴は幸せだと思ったよ…す、少しだけだけど!?」
一応、伝えとこうと思って、と付け足して言うと。
「じゃあ…私たちの間に、月永先輩みたいな自慢の息子が授かると良いですね」
って、少し照れながら、綺麗な笑顔で言われた。
悔しいけど不意打ちされて少し動揺した。
「ちょ!? 早すぎるでしょ!! それに、あんな馬鹿が自慢の息子の訳ないから!! もうあんなクソ生意気なガキのお世話は懲り懲りだから!!」
「そうですか? 瀬名先輩、とってもイキイキしているように見えましたけど…♪」
「はぁ!? …生意気。っていうか…」
「俺と聖子の子供なんだから、もっと可愛げのある子に決まってるでしょ!?」
それ以外、在り得ないから
fin.