第2章 瀬名 泉 / 自慢の息子
「…はぁ。アンタねぇ。その包丁の持ち方は危ないって前に言ったよね?」
「う…すみません…」
「あぁもう! いいから貸して!! これはこうやって切るの!! 分かる!?」
「わはははは☆ せなはあいかわらずこじゅうとみたいだな♪」
「煩い。誰の為に作ってやってると思ってんの? 感謝してよねぇ」
ササっと作ってガーデンテラスで食事をしていると
「…瀬名先輩と、お姉さまと…え…reader…!?」
「あらヤダ王さま可愛い~☆」
「Jesus!!?な…何という事でしょう…」
「へぇ…子供なら合法的に好きに寝られるよね…いいなぁ羨ましいんだけど」
はぁ…何で今日はこんなに面倒に巻き込まれるかな…
チョーうざぁい…
-放課後-
「…で。結局放課後になったけど…」
「どうしたら月永先輩が元に戻るのでしょう…」
同時に深い溜息が漏れる。
「まぁこのままでもたのしーけどな☆」
「アンタだけでしょ」
「おれ、おもったんだけど…」
れおくんが少し間を置いて言った
「せなはいいパパになるな☆」
「はぁ!? 何ソレ馬鹿じゃないの」
「そうですね、瀬名先輩の奥さんになる人は幸せだと思います」
「聖子もいいママになるぞ!! せなと聖子のこどもはぜったいしあわせになるな☆ うらやましい☆」
「えっ…///」
ちょっと…
聖子ってば何赤くなってんの、馬鹿じゃないの…///
「ん? おぉ!! こんなところにけさのはこがあるぞ☆」
「ちょ、れおくんそれこっちに…」
「てい☆」
またしても勝手に箱を開けると、煙が立ち上った。
何なのこれデジャヴ!?
取り敢えず俺は聖子が煙に触れてれおくんみたいに幼児化しないように抱き寄せた。
条件反射というか、本当に無意識の行動だった。
少しして、煙が晴れて来たところで聖子を腕の中から解放した。
「あ…ありがとうございます瀬名先輩…///」
「べ、別にぃ。アンタまで幼児化されたら厄介だし??」
半分は本心な理屈を並べて、れおくんの方を見ると…
「おぉ!元に戻ってる!!」
「良かった…」
「はっ!! 霊感(インスピレーション)が溢れる!! 後世に残る名作が!! オペラが書ける!!」
そんなことを言い残して奴は消えた