第14章 天城 燐音 / 天城 燐音はキスをしない
「燐音さん、私、燐音さんとキスがしたいです///」
「……なっ……」
「その…私が女としての魅力が無いから…燐音さんがそういう気持ちにならないのかもしれませんが…」
「ばっ…!?? 馬鹿言え!! ンな訳あるか!!!」
「え…? でも……」
「き…キスは、結婚してからだろ!!!!!」
(……なぁ、燐音はんは何を言ってるん…?)
(……HiMERUの聞き間違いでしょうか…?)
(なはは、燐音くん、たまに子供みたいなこと言うっすからね~)
(いや今どきの子供もそんな事思ってへんやろ)
「…えっと……??」
(ほら見てみぃ。聖子はんが可哀想やわ)
(戸惑うのも無理はありません)
(好物を前にイキナリ”結婚するまで食べちゃダメ”って言われたらそりゃビックリしちゃうっすよね~)
(ニキはんは喋らんでええ)
「じゃ、じゃあ…私の事、嫌いになった訳じゃないんですね…!!」
(…は?)
(そこでそう返しますか…)
(…モグモグ……)←こはくにお菓子貰った
「あのなァ、当たり前ェだろ?」
「うぅ…良かったです…、ずっと不安で…」
「そっか…不安にさせて悪かったな」
(…いやええんか?それで…)
(桜河……突っ込むのは止めておきましょう…)
「俺っちも色々我慢してンだよ…だから…結婚したら、今までの分もシてやんよ」
ちゅっ、と。軽く頬にキスをしてくれて。
「え…っ、えぇっ…///」
「なンだよ…頬くれェは結婚前でもギリOKっしょ…?///」
(((ギリなんだ…)))
「あ…その……う、嬉しくて……/// だから、その…本当にちゃんとキス、する時には…心臓がもたないかもしれないです……///」
「あー………、それは反則っしょ………」
「ふぇ?」
(あれでよう耐えたな、燐音はん)
(天城……流石、鋼の精神ですね…)
(ところで、僕たちは何でこんな事してるんでしたっけ? お腹空いて来たっす)
(せやな。帰ろか。アホらしなってきたわ)
(結局はただ見せ付けられただけでしたからね)
やれやれ…とその場を離れる3人。