第13章 朔間 零 / 吸血鬼の朝事情 ★
「零さん、零さん…起きてください…零さん…」
「ん……」
「お仕事遅刻しちゃいますよ~!!?」
「ん~……」
今日は零さんが午前中からお仕事なので、心配になって来てみれば…
案の定です。
お布団の中で寝息を立てる零さん。
朝が辛い体質なのは重々承知してましたが…
う~ん…困りましたね…。
「零さん…、そろそろ起きないと……」
「……そうじゃな…」
「…え、ひゃあ!??」
急に手を引っ張られ、零さんの布団の中に引き摺り込まれた。
「れ…零さん!? もしかして起きて…!?」
「ククク…さぁ、どうじゃろうな…♪」
「もう! 起きていたなら早く仕事の支度をしないと…」
「もう少し良いじゃろ、まだ時間はある。早めに起こしに来てくれたからの」
「で…でも…」
「朝が辛いのは中々治らん…、我輩に生気をおくれ、嬢ちゃんや…♪」
「んっ…///」
角度を変えて何度も何度も貪るような口付けを交わして。
本当に生気を吸われているよう…頭がクラクラする。
「そんなに可愛い顔をするでない…、我輩、止まらなくなってしまうぞい♪」
「ふぇ…? あっ…///」
零さんの手が服の中に…///
「れ…零さ…んっ、…は…///」
「良い声じゃ…、じゃが、今は少し控えて貰えるか?」
布団をバサッと私の頭の上まで被せて、ギュッと私を抱き寄せた。
「えっと…」
「大人しくしているのじゃぞ♪」
その意味が分からず混乱していると、すぐに勢いよく扉が開いて。
「「朔間先輩~♪ 起こしに来ましたよ~♪」」
元気な声が部屋の中に響いた。
この声は…ひなたくんとゆうたくん…!?
え…えっと…どうしよう…
わ、私今零さんの布団の中だし…流石に見つかったらヤバイですし…
緊張で身体が強張ってしまう。
(…大丈夫じゃ)
ボソッと零さんが言ってくれて、安心で緊張が解れた……
……んだけど。
(れ…零さん……!?)
(…♪)
服の中をまさぐる手は一向に収まらない。
こ…この状況で何でそんなに楽しそうなんですか零さん!?///