第2章 瀬名 泉 / 自慢の息子
それは、何の変哲もない
いつも通りなある日の出来事だった。
「おぉぉぉぉい、セナーーーーーっ☆」
「ちょっとぉ、そんな大きな声で呼ばないでくれる!?」
珍しく朝早くに登校して来たれおくん。
こんな朝っぱらからハイテンション過ぎ。
チョーうざぁい…。
「なぁなぁセナっ!! 見てみて!! 何か変な箱拾ったんだけど♪」
「はぁ!? 早く捨てて来なよそんな箱」
「何でだ!? 意味不明な箱だぞ!? 開けたら何が入ってるんだろうな…? インスピレーションが滾る☆」
「馬鹿な事言ってないで…」
「ていっ☆」
「ちょっ…!? うわぁ…っ!?」
あの馬鹿が箱を開けた瞬間
モクモクと白い煙が立ち上り、視界が遮られた。
しばらくすると、風で煙が散り
れおくんの姿が…
れおくんの…
「嘘、でしょ…」
誰このちっちゃい子供---------!????
「せな…? せながきょじんになってる!? なんだこれ!? いやおれがちっちゃくなってる!?」
「れおくん…なんだよね?やっぱり…」
「そうだ! せなのだいすきなれおくんだぞ☆ あっははははおもしれー♪」
「面白くないから!!」
あーもう…これから授業だって始まるってのに!!
どうする…どうする俺-----!???
「せなぁ…ちっちゃくなったおれはきらい??」
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「おぉ~♪ たかいたか~い☆」
「あぁもう! 髪の毛引っ張んないでよ!!」
「せな~、がっこういくのやめよーよー。おれとあそぼうよー」
「却下」
「せなのいーじーわーるー!!」
「煩いなぁ生意気…振り落とすよ」
「ひどいっ!!せなのあくま!!おに!!へんたい!!ちょーへんたい!!」
「はぁぁぁぁ!? 何それチョーうざぁい!!」
「煩いぞ瀬名。朝から何を騒いでいる」
「「げっ」」
「何だその顔は。…そしてその肩の上に乗っている子は…?」
「…せな、にげるぞ!」
「当然でしょ、振り落とされないでよね!」
「なっ!? 待て瀬名!!!」
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