第10章 馬鹿者が消えた世界線で…
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『なぁニキ、カルボナーラ食いてぇ。作れ』
『え!? どうしたンすか燐音くん!? 燐音くんの口からカルボナーラなんて単語が出て来るなんて!!!!』
『るせー。さっさと作れやニキ野郎』
『いいっすけど…本当にどうしたんすか? パスタなんて女の食い物みたいなこと言ってませんでしたっけ?』
『まぁなぁ…、聖子の奴がすげぇ美味そうに食うから、そんなに美味ぇのかなって…』
『聖子…? あぁ、プロデューサーさんっすね! へぇ、聖子さんカルボナーラが好きなんすか~、これはちょっとカルボナーラ談義したいっすn…痛っ!! 燐音くん!! 料理中の暴力は反対っす!!!』
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「…って事があったんすよ~」
「燐音さんが…」
意外過ぎて、嬉しすぎて。
心が温かくなる。
「燐音くん、意外と姐さんの事、結構喋るんすよ、酔った時なんて特に♪」
「え……」
「まぁ、主に心配や惚気っすね。一応、僕たちには内緒で付き合ってたんすよね? まぁ、僕には隠す気あるのか無いのか…酔った勢いで色々聞いちゃってるんでアレなんすけど…」
「わぁぁぁぁぁぁ///」
「なはは、大丈夫っすよ、誰にも言わないんで♪」
一体何を喋ってたの!???
聞きたい…でも聞くのが怖いっ!!!
「…僕にはこんな事しか出来ないっすけど、ちょっとは…元気出ました…?」
「ニキくん…、うん、ありがとう。久しぶりだよ、こんなに笑ったの」
「それは良かったっす!! …もし、また寂しくなっちゃったら、ウチに来て欲しいっす」
「え…?」
「何でか知らないんすけど、燐音くんの私物、ウチに少し残ってるんすよ。ほんと、ウチを何だと思ってるんだ!!って話なんすけど(笑)」
「そ…そうなの…?」
「…だから、きっと、戻って来るっすよ。そのうちフラッと現れて、きっとまた無茶ぶりで僕らを振りまわすンすよ!! そうに決まってるっす!!」
「…確かに、そうかも…」