第9章 天城 燐音 / 馬鹿 ★
「気持ち良かったろ?」
「…うん……///」
「じゃ、こっから燐音くんも気持ちよくして貰おうかね♪ …イケるか?」
「…ふふっ、今日は本当にどうしたんです? いつも聞いてくれた事ないのに」
「そうだっけか?」
「はい。…準備なんて出来てます、いつでも…。燐音さんのお好きなタイミングで良いんです。燐音さんと一緒に…イキたい…///」
「…お前は…~っとに…///」
「…??」
燐音さんはおもむろに自身を取り出し、宛がった。
そして一瞬、慈しんでくれるような、そんな顔をして
自身を進めた
待ち望んだ圧迫感にすぐにでも達しそうになるけど、我慢して。
「…っは、何だよ、俺っちの顔まじまじと…見惚れちゃった?」
「ば…ばかっ…///」
実際には、見惚れてた。
腰を振りながら、男らしいんだけど艶やかな燐音さんに。
でも、見惚れる余裕もそろそろ無くなって…
「あっ…も…、もう…っ///」
「イキそうか?」
「んっ…、もう…イッちゃ…///」
「あぁ、俺も…。聖子…、あぁ、俺の可愛い聖子…俺は、本気で…」
『本気で聖子を愛してたンだぜ…』
最後の言葉は、頭が真っ白になっちゃって、うろ覚えで…
本当に、そんな事を言ったのか、ハッキリしなくて。
でも、本当だったとしたら、どうして”過去形”なの…?
目が覚めた時には、燐音さんの姿は無くて。
元々、この部屋に燐音さんの私物なんて僅かしか無かったけど、それも無くなっていて…。
何だか背筋がゾッとした。
そんな時に、ケータイが鳴って。
『今日はありがとな。
これから、MDMに向けて忙しくなっから、中々連絡取れねぇかも。落ち着いたら、こっちから連絡すっから。悪ぃな』
それから、MDM前夜祭で、あんな事があって…
それから…
燐音さんから連絡は一切来なかった。
― MDM から一週間後 -
「聖子さん」
「あ、一彩くん! こんにちは」
「…こんにちは。…また、寝れなかったようだね。目が腫れているよ」
「…あ、はは…。やっぱり? 何だか目が重いなぁって思ってたんだ」