第9章 天城 燐音 / 馬鹿 ★
「…っとに、お前も馬鹿だよなぁ」
「…はい???」
crazy:Bの寮部屋(といっても使っているのは燐音さんだけ)で落ち合うと、唐突に燐音さんに言われました。
まぁ…唐突なのはいつものことなんですけど…。
「また急になんですか一体…」
「…いや、つい本音が…」
「本音って何ですか!! 本音で馬鹿とか酷いじゃないですか!!?」
「きゃはは☆」
「笑ってないでどういう事なのか教えてくださいよー!!」
ムッとして燐音さんに詰め寄ると、そのままベッドに引き摺り込まれて、後ろからギュっと抱き締められた。
「り…燐音さん!? またそうやってうやむやにする気で…」
「考えてもみろ。俺っち達は散々、酷ぇ事やって来てンだぜ? 普通、関わりたくねぇって離れンだろ。何でまだ彼女やってんの?」
恐ろしい程に冷静で、無機質な声色だった。
でも、何処か………寂しそうな声色な気がして。
「馬鹿は、燐音さんの方じゃないですか?」
「あン??」
「そんな事で離れるなら、そもそも付き合ってなんていません。”貴方の彼女”を舐めないでくださいね」
「………成程な」
私を抱き締める腕に力が込められた。
首筋に埋められた顔が、いつもより少し熱く感じて。
この体温に、幸せを感じた。
「……っし、ヤるか」
「えっ!? ちょ、急過ぎません!!?」
「なに、いつもの事っしょ♪ それに燐音くんの燐音くんも反応しちまったし? 責任取れよ彼女ちゃん♡」
「もう!! 本当にいつも通りですね!!」
「……あぁ、”いつも通り”だよ」
何だか微妙に違和感のある声色だった気がしたが、そんな事を考える暇も与えて貰えず。
”いつも通り”どんどん服が乱雑に脱がされていく。
「…っん、ふ……はっ…、あっ…///」
「今日は随分と感度がいいな? 最近あんまヤれてなかったから、寂しかったか?」
「そ…そんな事……」
「へー…(棒読み)」
「…ある…、けど……///」
「…そっか」
「あっ…///」