第4章 衣更 真緒 / 世話焼きセンサー ★
「ほら、凛月、早く起きろってば、次は移動教室だろ!?」
「え~…そんなに急がなくても間に合うでしょ~…」
「あぁもうほら! お前の分の教科書と筆箱も持ったからな!!」
「ついでに俺も持って~♪」
「自分で歩けよそんくらい…」
大きい溜息をついて廊下に出る。
いつまでも凛月の近くにいると、甘えて一向に立ち上がらないからな。
ふと窓から外を眺めると、聖子の姿が見えた。
窓を開けて声を掛けようとしたら、3人の男と何かを話しているようだった。
知らない顔だけど、ネクタイの色からして3年生か…?
聖子はプロデューサーとしてどんどん有名になってるから、仕事の話かもしれない…けど…。
何だろう…。モヤモヤする…。
ただの嫉妬…かも、しれないけど…。
それに、歩いてくその方向って、校舎裏、だよな?
何でまたそんなところに…?
「まーくん置いて行かないでよ~…って。どーしたの?」
「えっ!? あ、いや…。…ごめん凛月、先教室行っててくれ!!」
「え、ちょっ…。」
バタバタと血相を変えて走っていくまーくん。
さっきまで窓の外を見てたな…と思い、視線を落とせば…
「あぁ、そーいう事。まーくんの世話焼きセンサーが発動しちゃったか…。全く、しょーがないなぁ…♪」
凛月は上機嫌に歩き出していた。
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「やだっ、離してくださいっ」
「暴れんなって、ほら、そっち脚持ってろ」
「やめてっ…いやっ」
「おっ、意外とデカいな♪ 柔らけぇ~♪」
「ひっ…あっ…」
「お前ずりぃぞ!早く変われって!!」
「ちょっと待てって♪ 味見味見…♪」
「ひゃあう!?」
「やべ…俺も下舐めてぇ…」
「俺はしゃぶって貰おうかな…口空いてるもんな?」
「居ました!! 副会長!! こっちです!!!」
突然背後から大きな声が聞こえて男達は一斉に声の主を見た。
「やべっ!! アイツ確か生徒会の!!」
「蓮巳もいんのかよ逃げろっ!!」
バタバタと逃げていく男達。
「聖子!!」
衣更 真緒は急いで駆け寄り抱き締めた。
「ごめん、遅くなって…怖かったよな…」