第3章 コンクール
光里の家で夕飯を食べながら光里と圭祐は話していた。
コンクールの事、普段の部活の事。色々話したあとに今日の話題になった。
「和泉君本当に打ち上げ行かなくて良かったの?」
「はい。僕的羽さんと食べる料理がすきなんです。」
「ありがとう。今日誘ってもらえて良かったな〜。ごめんね、迷惑じゃなかった?」
「全然。僕、的羽さんに見て欲しかったから。」
「うん。かっこよかったよ。」
「ありがとうございます。」
今日の圭祐はいつになくかっこよくて、綺麗だった。
見惚れてしまう程に。
「なんで誘ってくれたの?」
光里は思い切って聞いてみることにした。
「的羽さんの事、好きだから。」
「え?」
幻聴かと思った。
(好き?それって好意って事?
愛の方の好き?どっち!?)
「あ、その、ご、ごめんなさい!!つい、あ、ついじゃなくて、あの、」
的羽は言ってしまってすごくパニックになっているようだった。
「あの、好きって、その、告白じゃなくて!」
(ああ、びっくりした〜。心臓に悪いよ。)
圭祐は真っ赤になって俯いた。
(あーあ、まずいなぁ。)
今日の萩原のことから光里は1つの結論に行き着く。
まだ気がつきたくない。自覚してしまえばどうにもできないから。
圭祐は光里の事きっとなんとも思っていないから。
2つも年上の女なんてきっと眼中にない。
(まだ終わらせたくないな。)
そのためにどうするか、答えは1つだった。
(隠し通すんだ。絶対。)