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雨の帰り道

第3章 コンクール


コンクール当日。
圭祐の出番は午後からだというので、光里は午前中仕事をして午後から参加した。
「んー、変じゃないかな。」
”姉“ポジションでいられる程度、だけど19なので若く見られたい。
「アイツ誰の知り合いだよ〜w」とか高校生に言われたら嫌だし。
結局は白地にピンクのボーダーのワンピースに水色の半袖の薄いカーディガンを合わせた。

会場は最寄駅から2駅程先へ行った所にある会館だった。
(和泉君いるかな?あ、もうすぐ出番だから待機してるのか。)
光里は空いている席に座り、圭祐の出番を待つことにした。

(なんで私呼んでくれたんだろう?俺こんなにすごいんだぜ、ってこと?
親族がわり?なんとなくかな。私といるのちょっとは楽しいって思ってくれてるのかな。)
ならいいな、と光里は思った。

(まさかとは思うけど、好きな子に部活の大会見に来てもらうやつ?
あ、ないな。年上だし、そういう対象としては見てなさそうだし。)
〈間も無く午後の部が始まります。〉

「和泉君の高校が最初だよね。」
演奏が始まると、光里はすっかり魅了されてしまった。
迫力があり、それでいて繊細。光里は吹奏楽を聞くのは初めてだったがとても感動した。
奏でるメロディーは聞いているだけでうっとりしてしまう。それに、
(綺麗、、、。)

楽器を吹く圭祐はとても凛々しく、今まで見た事がないくらい綺麗だった。
(可愛い弟だと思ってたのに)
初めて見る圭祐に光里は謎の焦りと胸のときめきを感じていた。
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