第1章 君に送るWhiteDay ♡°。⋆ プロローグ
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廊下には、常人ならぬオーラを纏った、
あの色男2人の姿があった。
『おい。なにをきょろきょろしてるんだ』
『ん?僕、いろんなメイドさんに
バレンタインにチョコレートを貰ったから、
1人1人にお返しを持ってきたんだよね。
だから、そのメイドさんたちを探してるの』
『はぁ?お前は俺に、仕事の用事があって
うちに来たんじゃなかったのか?』
『それもそうだよ。
でも、紳士として、女性の期待には応えないと。
それに...僕のファンを増やしておけば、
後々いろいろと使い物になるかもしれないし。
だから、本題はこっち♪』
『...............頭が痛い...。』
両手に大きな紙袋を下げ、周りを見回す凌に
月臣は大きく溜息をついて頭をかかえる。
『ちなみに、めるちゃんはどこにいるの?』
『...あ?......まさか...あいつ、
お前にまでバレンタインを贈ったのか?』
『違う違う!僕は貰ってないよ。
でも、僕は彼女の分も持ってきてるから。
......どうでもいいメイドたちとは
一味違う贈り物をね。』
『.........絶対にお前には会わさん。』
『はぁ...ほんと面倒な飼い主だな...。
じゃあ自分で探すから別にいいよ。』
『...はぁ、勝手に言ってろ......。
どうでもいいから、
早くその大量のお返しを配って
仕事の話にうつってくれ......』