第2章 I am happy
入学三日目の食堂は、チラホラとグループのようなものが出来上がっていて
そう言った【和】の習性は、男子よりも女子の方が顕著に現れる。
もちろんくるみも例外ではなく、3人の女子グループに落ち着いたくるみは出会って二日目の【親友】と食事に情報交換に勤しんでいた。
「えぇ!昨日告白したの!?
まだ入学二日目だよ?」
目を丸くして口をあんぐり開けるショートカットヘアはエミリ
彼女は大多数と言われるβ【ベータ】だ。
驚きのあまり、せっかく巻いたパスタがフォークからこぼれ落ちていく。
『だって…ネクタイ返したらもう話せなくなっちゃうかもっておもったんだもん…』
「にしても…ねぇ?」とエミリが同意をと求めたのは、もう一人の友人であるレイナ…彼女もベータの性らしいが
長い金髪をかきあげながら、ラーメンをすする姿はなんとも色っぽい。
「んー」
といいながらラーメンを啜り終えると、口元を拭きながらくるみを見る。
「アタシは気になったらすぐ告る派」
「えぇ、さすが…見た目を裏切らない肉食系…」
ボインというより、最早バインと音がしそうな巨乳を揺らしながらレイナはふふんと笑う。
「まぁ、私はアルファ相手でも失恋したこと無いけどね」
『わぁ!し、師匠!!レイナ師匠!』
モテ術教えてよぉーとくるみが縋り付くと
レイナは「よかろう、よかろう」と胸を張った。
「まぁ、でも
一回告っちゃったところから、どう振り向かせるかは私もわかんないけどねぇ…」
腕を組む2人を目の前にくるみは頭を抱えてうう…と唸る
『やっぱ…先走ったかなぁ…
あ!!!』
へにゃーと眉を垂らしていたというのに、突然声をあげて目を輝かせた。
そのくるみの視線の先を辿ると、金髪のツンツンヘアーに鋭いつり目。
先ほどくるみに説明された【想い人】の特徴…『ふてぶてしくて、世の中全てを舐めてる感じの人♡』を具現化した男が立っていた。