第7章 I am having fun
『リクリエーションにも参加できない…か…』
くるみは借り物の指示が書かれた紙をピラピラと降るとため息をついた。
スタジアムの外は人気もなく、静かだ。
少し進んだところで、
「くるみ…?」
と声をかけられ、くるみは飛び上がる。
辺りを見回しても誰もおらず、『お…おばけ?』と悲鳴に近い声をあげたのだが、
「お化けじゃねぇ」
と森の奥から出てきた轟にくるみはヘナヘナとその場に腰を下ろした。
『なんだ…轟くんかぁ…』
「どうしてここにいるんだ
お前はリクリエーション参加すると思ってた」
轟が問いかけると、くるみはいつものように困った笑顔を轟に向ける。
『参加してたけど、出来なくなっちゃったの』
「?」
言葉の意味がわからないが、轟はくるみの手を引いて立ち上がらせる。
立ち上がったくるみは轟に借り物競争の札を渡して、側にある大木に背中を預けた。
『借り物競争だったんだけどね…
それは借りれないし』
轟は札をめくって顔をしかめた。
【好きな人】
『ね?無理でしょ?』
眉を八の字にして轟の顔をのぞき込むくるみに轟は胸を締め付けられる。