第5章 I am weak
「!?」
「!!」
突然のことに空を見上げたまま、何も言えず口を開けた2人は
頭上を追い越され、すぐに大勢を整えた。
轟は足元を氷で固めてみちをつくり、
爆豪は地に足をつけることなく、爆破で前に進んでいく。
減速していくスピードと放物線を描いて落ちていく体
緑谷は手に持った仮想ヴィランの断片である、鉄の塊を地面に叩きつけ
そして巻き起こった爆風に吹き飛ばされながらまた、二人より前に飛び出した。
何度か地面を転がりながら、それでもガムシャラに、ヤミクモに1位にしがみつこうと走る。
暗いトンネルを抜け、目の前に指す一筋の光。
その光に包まれた瞬間、四方八方から紙吹雪と歓声が上がった
プレゼントマイクの声がアリーナに響く
《さぁさぁ序盤の展開から誰が予想出来た!?
今一番にスタジアムに帰ってきたその男――――
・・・緑谷出久の存在を!!》