第32章 I am making my mind
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ビルの屋上に風が吹いた。
湿気を孕んでいて、少し肌が冷える。
(「ヒーローになりてぇ」なんていう
希望はとっくに消えちまってた…)
「いまさら離れられるかよ」
空はもう暗く、黒以外の色を探す方が難しい
月もなければ星もない
光なんてどこにもない
そんな中、上げた男の顔は見えない筈だった
なのに口元だけがはっきり見えるのだ
「てめぇを忘れるくれぇなら――…」
歪んだ口元が猫の爪の様に吊り上がる
「俺は、ヴィランになってやる…」
Who am I...
I am.....
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アイアム!
~Fin~