第19章 I am a boy
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轟と緑谷が、密約を交わすその後方で、爆豪とくるみは集まる視線の中二人並んで食事をとっていた。
「は?!え?何…バクゴーとくるみちゃんじゃね?」
「あ、ほんとだ…爆豪いねぇと思ったら…」
「なに?あの二人ついに番ったのかよ!」
上から上鳴、切島、瀬呂も如何様にも目立つ二人を見ながら食券片手に列に並ぶ。
「いや、まだじゃね?くるみちゃん首輪外してねぇし…」
上鳴は顎下に指を当て、観察しながら呟く。
「あれ付いてたらフリーなんだっけ?」
「そそ、大抵AVでもあれ付いてっから、間違いねぇ
人妻ものなら付いてねぇの」
情報源は下世話だが、なるほど、と2人は上鳴の説明に頷いた。
「爆豪もさっさと噛んじまえばいいのにな」
3人からみても、爆豪がくるみに向けている視線は、あからさまに優さしい。
逆にあの2人の雰囲気で、くるみが首輪をしていることが違和感に思えるほどだ。
「まぁ、番は死ぬまで誓約切れねぇし
慎重になるのはわかるけどな」
「切島はアルファだってか?」
「あぁ、一応な」
「俺らベータからしてみりゃ…羨ましいけどなー
絶対に切れねぇ誓約…。
噛まれたオメガは、その男としかセックスできねぇんだろ?」
瀬呂が、溜息をつきながら問いかける
「いや、それヒート中だけらしい。
普段は出来るんだってよ」
答えた上鳴は、またAVの知識を説明した。
「まぁ…何にせよ
あの二人は【運命】ってやつなんだろうな」
切島はどこか羨ましそうに、爆豪とくるみを見つめた。