第1章 I am loving you
「はい、スタート」
と適当な合図で始まった試験に
受験生は一斉に飛び出して仮想敵(ヴィラン)に襲いかかっていった
爆豪勝己も、持ち前の個性を活かして
両手で生み出した爆破を武器に、近づいてくるヴィランを次々に撃退していく。
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爆豪勝己、個性【爆破】
両手から出すニトロのような汗を自在に着火して爆発させることができる。
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彼のそれは、ただの試験というよりは
己の個性の強さを楽しんでいるようなーーー
そんな動きだった。
その遥か下の地上で、さっきの少女は両手に抱えていたピンクのテディベアを地面に下ろす
そして、それらに向かって両手を伸ばすと
『みんな、頑張ろうね』と、呟いた
その言葉を合図にぬいぐるみ達は、モソモソっと動いて、まるで生きているかのようにポテポテ歩きはじめた。
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縫井くるみ、個性【ぬいぐるみ】
ぬいぐるみを自在に操ることが出来る。
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ぬいぐるみ達は、目の前に現れたロボットヴィランに飛びつくと、赤外線センサーとなっている部分を覆い、通常速度のまま壁に突っ込ませる。
『よし!えっと、2ポイント!』
役目を終えたぬいぐるみ達がくるみの元へと帰ってくると、少女は「えらいえらい」とぬいぐるみを撫でて嬉しそうに笑った
と、その時だった
「危ねぇ!!!」という声と同時に
斜め前から仮装ヴィランがくるみ目掛けて猛突進してきたのだ
『え?はわ…っ』
主を守ろうと、ぬいぐるみ達がくるみの前に立ちはだかる。
全く意味のなさそうな防御にくるみは目を瞑った
が、ーーー次の瞬間バリバリバリ!と云う、けたたましい音とともに、突撃直前の仮装ヴィランが動きを止め、ゆっくりとその場に倒れる