• テキストサイズ

【ヒロアカ】アイアム!【オメガバ】

第12章 I am an Alpha




「…ろきくん」


「とどろきくん!」

「轟くん!!!」

肩を揺すられて、現実に引き戻された。
こちらを心配そうに見つめる、四人と目を合わせると
やっと肺に空気が流れこんできた。

「わ、悪りぃ…ちょっと、体調が悪りぃみてぇだ…」

「そう…みたいだね
帰ろ?送るよ」


「いや、大丈夫だ…
心配かけた、すまねえ」


轟くんは、そう言って僕に作った笑みを向けると
フラフラと駅の方向に向かって歩いていく


「なー、轟大丈夫か?」

「あ…うん……どうだろ…」


さっき…一瞬だけ、轟くんの表情が歪んだ…
その顔を思い出して、僕は少しだけブルっと体を震わせる。
轟くんの、前髪に隠れた瞳が、ギラギラと鈍い光に歪んで…

少し唇から覗いた犬歯が、刃物みたいに尖っていた。



よもや、轟くんまでもが縫井さんを好きだとは露ほどにも知らない三人は、未だかっちゃんと縫井さんを覗き見ている。

「あーあ、いいなぁ青春」
呟いたのは峰田くん。

「だよなー
爆豪も、まんざらでもなさそうだし?」

上鳴くんの言葉に、僕は改めて2人を覗き見た。

確かに、あんなかっちゃん見たことないし、恋愛に疎い僕でも、かっちゃんは縫井さんに好意があるように見えてならない。

だとしたら、
それは、縫井さんにとってはいい事で…
でも、轟くんにとっては悪い事で…


轟くんの苦しみも、わかるけれど…
ヒートの時の、縫井さんを目の当たりにした僕は、やっぱりどうしても

かっちゃんのコトをただひたすらに好きな縫井さんを
応援してあげたいと……


思ってしまっていたんだ。


/ 352ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp