• テキストサイズ

【ヒロアカ】アイアム!【オメガバ】

第10章 I am running




「帰んぞ」

そう言われてくるみは浜に上がり、爆豪に付いて家の近くまで歩いた。

何の会話もなく、隣を歩くでもなく…

帰宅した頃にはもうとっくに日は沈んでいて
爆豪の家の前を抜け、くるみの家の前で二人はやっと距離を縮めた。



『送ってくれてありがとう!優しいね、爆豪くん』

「近所だろうが、大袈裟なんだよ」


『それでも嬉しいの、勝手に喜ぶだけだから』

ふわりと微笑む彼女は夕暮れに滲む。
「……」
何も言わずに振り返ると、くるみはそっと爆豪の袖口を摘んだ。


爆豪はその小さな刺激に、くるみの方を振り向き、目を合わせる



「…んだよ」


『あっ…いや……ごめん…』

手を離すと真っ赤になって俯くくるみに、爆豪はめんどくさそうに溜息を吐く


「ンな顔すんな」


『ぅ……ごめん…』


くるみは両手で頬を摘んで、しぼんでいくように俯いた。


「別に方向同じだろうが

また、嫌でも帰り出くわすだろ…」

少し含みのある言葉に、くるみはパァっと顔を明るくする。

『そ、そうだよね!』



爆豪はピン!っとデコピンをしてもう一度「うっせぇ」と言って
家のある方へ歩いて行った。

その後ろ姿に見えなくなるまでずっとくるみは手を振り続けた。
/ 352ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp