第3章 Sweet Darlin’=Little Honey
一気に腰を落としキースさんを根元まで飲み込めば
「………ン゛ッッ!」
「ハッ……ア…」
お互いにくぐもった声が漏れ出した。
「大丈夫かい、イワン?」
「はい……大丈夫…です。」
大丈夫と答えつつも、その痛みに慣れようと身体を強張らせたままの僕の耳にキースさんの甘い囁きが届く。
「では無理を言うようで申し訳無いが
私を、抱き締めてくれないか?」
………ッ!
まさかキースさんが僕に甘えてくれるなんてッ!
そうなれば僕は嬉しくて嬉しくて、当然キースさんの背中に両腕を回しギュウッと力一杯抱き締めた。
「これで……いいですか?」
「イワン、ありがとう。
そしてありがとう。
これで私は君に独占されてしまったという事になるね。」
「エッ……?」
「上も下も、私の全てが君に包まれている。
なのだからもう、私という存在は君だけのモノだよ。」
キースさんの言葉に、僕は自然と涙を零す。
「キースさん……僕…
僕……スゴく幸せです。
憧れのキースさんを独り占め出来るなんて……」
「イワン……」
突然キースさんの両手に頬を包まれて、またキスされちゃうのかな…なんて思った時……
「私は君に憧れられたくなどはない。
私は1人の人間として、
そして同等の立場として、君の恋人で在りたいんだ。
だから私の事も『キース』と呼んではくれないだろうか?」
真っ直ぐに僕を見て、柔らかな表情でそう告げるキースさんに
「……キース。」
僕は初めて自分からキスをした。