第22章 貴方が僕にくれたもの
出会って初めてのバースデー。
貴方が僕にくれたのは、何だか微妙なウサギのぬいぐるみとヒーローポイント。
素直に喜びもしないで皮肉を言ってしまった事を思い出すな。
でも本当は嬉しかった。
4歳で両親を亡くしてからバースデーを祝ってもらった経験なんて無かったから、実は凄く嬉しかったんですよ。
そして2年目のバースデーに貰ったのは、人生で一番の友人。
そう、ライアン・ゴールドスミス。
まさか彼とこんなに長い時間を超えて信頼し合える友人になれるなんて、最初は思いもしなかった。
チャラくて俺様で……僕とは絶対に相容れないと思った急拵えのバディ。
だけど彼はどんな時も真っ直ぐで真摯でしたね。
今でも遠くの国で現役のヒーローとして活躍しているそうです。
僕より年下とは言え、この年齢でまだ現役だなんて……
我が友ながら尊敬してしまうよ。
え?
ライアンは貰ったんじゃなくて、自分で手に入れた宝物だろって?
うーん……
それでも貴方が居なければ僕とライアンは友人にはなれなかった気がするな。
だからやっぱりライアンは貴方が僕にくれたプレゼントなんですよ。