第20章 kiss the glasses 後編
結局その後さんは泣き疲れたのか、直ぐに眠ってしまった。
正直に言えば、さんと繋がれなかった結果は残念だ。
でも、こうして僕の腕の中でスヤスヤと心地好さそうに眠ってくれるだけでも充分幸せです。
それにね……当然僕は諦めていませんよ。
これから先、どうやってさんを『開発』していこうかって………
想像するだけで滾ってしまいます。
僕の手で一歩一歩……
ああ、そうなると『道具』も必要かもしれないな。
さんの中を徐々に解していく為に。
そう『僕専用』の………
ふふ……色々と『準備』に忙しくなりそうだ。
「バ…ニャビ……」
そんな事を考えている間に聞こえたさんの小さな寝言。
僕の夢を見ているの?
夢の中でも、僕はちゃんと貴女を愛してあげられてるのかな?
僕よりちょっと……いや、かなり年上で
それなのにどうしようもなくピュアで真面目で
くるくる笑って、直ぐ泣いて………
そう遠くない未来、『サイトウ』というラストネームは捨ててもらいますから。
誰よりも可愛い可愛い……僕の『初めての恋人』
こんな厄介な僕に、愛され続ける覚悟をちゃんと決めて下さいね。
「Stay by my side forever.
My treasure……」
END.