第20章 kiss the glasses 後編
「……………ッッ!!」
今直ぐにさんをベッドへ連れて行きたいッ!!
だけど僕はそんな劣情を何とか抑え込んでスマートに……
あくまでもスマートに見えるように……
さんの背中に手を添えてリビングへ誘った。
そしてさんが持っていた荷物をそっと受け取り中を確認すると……
「ああ、コレ、僕が一番好きなワインだ。
虎徹さんに聞いたんですか?」
虎徹さんがそんな気の利いたアドバイスを出来たのか……僕は半信半疑。
でもさんが話し出した内容で、全ての出来事がまるでジグソーパズルがピッタリと嵌まるみたいに納得出来るものだったんだと分かる。
「Miss.シーモアに聞いたんです。」
「ファイヤーエンブレムさんに?」
「ハイ……タイガーさんに紹介して頂いて……」
その後、さんに聞かされた内容を纏めるとこうだ。
僕の話を聞いた虎徹さんがさんを食事に誘い、そこでさんの方から虎徹さんに「バーナビーに相応しい女性になるにはどうしたらいいのか」とアドバイスを求めたらしい。
当然そんな相談に応えられるハズもない虎徹さんは、さんとファイヤーさんを引き合わせた。
うん、それは僕も最善の選択だと思う。
それでさんはファイヤーさんから色々と『教育』を受けて今に至る……と。
あのファイヤーさんのアドバイス……
さんへの影響を考えると、正直ちょっと怖いような。
そして僕は気が付いた。