第20章 kiss the glasses 後編
「それで?
どうされたんですか?
僕に電話なんて………」
「今から……バーナビーさんの部屋へ……
お邪魔しても…イイデスカ?」
さんは消え入りそうな声で僕に問う。
ああ、遂に虎徹さんと2人一緒で僕に最後通告するつもりなのかな。
「あの……
もう、バーナビーさんのマンションの前に居るんです……けど…」
はは……虎徹さん風に言うと『一気呵成』ってヤツですね。
まあ、いつまでもウダウダと長引かせるよりは助かりますが……。
「………どうぞ。」
僕はマンションのエントランスロックを外し、直ぐに電話を切る。
それから3分程で、今度は部屋のインターフォンが鳴った。
ガチャリ…と無言でドアを開けると、その先に立っていたのは………
緊張で身体を縮み込ませ、怯えたような上目遣いで僕を見上げるさん。
「アレ……虎徹さんは?」
「マンションの前で帰りました。」
「じゃあ……さんだけ?」
「ハイ。
私……1人です。」
その言葉に、僕の心臓はドクドクと高鳴り始めた。
これは……どういう状況?