第20章 kiss the glasses 後編
僕は初めて恋をしたんだ。
teen-agerのように………
なんて言っておきながら、今……
さんは僕の部屋に居る。
虎徹さんを追い返してさんと2人きりになった僕は、初めての恋に動揺しながらもスマートに……
そう、これまでの僕のイメージを壊さないようにさんを誘った。
「僕の部屋で飲み直しませんか?」…って。
あっさりと頷いたさんに少し驚きはしたけれど、それでも拒否されなかった事に心底安堵したんだ。
そしてリビングの床に腰を下ろして、僕の隣でニコニコと嬉しそうにロゼワインを飲むさんはやっぱり可愛い。
「私、ワインってあんまり飲まないんですけど美味しいんですねッ!」
「そうでしょう。
これ、僕のお気に入りのワインなんです。」
「アッ………もしかして高級品?」
「ええ、まあ、安くはありませんが
さんに飲んで貰えるなら惜しくはないですよ。」
その言葉にフニャッと表情を緩ませるさんに僕の鼓動が大きく跳ね上がる。
ワイングラスなのに両手で包むように持って、コクコクと愛らしく飲み続けるさん。
そんな姿を見せられたら……流石に僕ももう我慢の限界です。
「そんなグラスの持ち方してると
折角のワインが温まってしまいますよ………
。」