第19章 Just LOVE 後編
こういった行為はベッドの上でやるべきだ……
虎徹さんは所々でそういうスタンダードな考え方をする。
僕は虎徹さんと愛し合えるなら場所なんかどこでも構わないと思っているし、逆にベッドじゃない方が燃える時もあるワケで。
ああ……
虎徹さんが一層強くベッドの上に拘るようになったのは、あの出来事がキッカケかな。
そう、半年くらい前。
僕と虎徹さんはまだ付き合い始めたばかりで……
とにかく僕は虎徹さんが愛おしくて仕方がなかった。
それは今も……だけど。
自分でも抑えきれないその感情を虎徹さんにぶつければぶつける程、何故だか虎徹さんは引いていく。
本当は僕の事なんて好きじゃないんだろうか?
独りぼっちで可哀想な後輩に合わせてくれてるだけなんじゃないのか?
僕は沸々と湧き上がる不安に圧し潰されそうだったんだ。
そんなある晩、僕の家で飲んでいる最中に虎徹さんが突然切り出した。
「あのさ……バニー。」
「………何ですか?」
遂に別れを告げられてしまうのかと僕は身構える。
でも虎徹さんが言い出したのは………
「バニーがさ、本当に好きな人と出会ったら
俺なんて捨ててくれていいからな。
バニーにお似合いの可愛い彼女とか出来たらさ、
俺みたいなオッサンに付き合ってくんなくていーから。」
「…………は?」
「俺、バニーには幸せになって欲しいんだ。」
少し寂しそうに笑う虎徹さんに………
僕は怒りが込み上げて来た。
こんなの別れを告げられるよりも酷い話だ。